TL;DR — Excel の三角関数は ラジアン で動き、人間は 度 で考えます。
RADIANS()とDEGREES()は、その 2 つをつなぐ双方向の橋です。ルールには向きが あります:RADIANS()はSIN/COS/TANに入る 手前 に、DEGREES()はASIN/ACOS/ATANから出た あと に置きます。PI()は格納された定数ではなく 関数です — 空のカッコが必要で、手で打つどんな3.14159よりも正確です。
=RADIANS(180) ' 度 -> ラジアン -> 3.14159265358979
=DEGREES(PI()) ' ラジアン -> 度 -> 180
=PI() ' 定数 π を完全な精度で -> 3.14159265358979
=DEGREES(2*PI()) ' 一周を度で -> 360
この 3 つの関数は取るに足らないように見えます — そして 構文 は確かにそうです。しかし、
これらこそ Excel で三角法が成り立つ理由です。というのも、三角法を静かに壊すたった 1 つの
取り違え — 角度の単位 — を解消するのがこの関数だからです。変換の向きを正しくすれば、
SIN・COS・TAN とその逆関数はすべて素直に振る舞います。向きを間違えれば — あるいは
省けば — どの答えも静かにずれます。
この記事で学べること
- 考え方の軸:単位は 2 つ、1 つは Excel の母語、もう 1 つはあなたの母語
- どちらの変換器をどこに置くか — 決して変わらない方向のルール
PI()がカッコ付きの関数であって、むき出しの定数ではない理由3.14159を決して直書きしてはいけない理由× π/180のショートカットと、名前付き関数がそれに勝る理由
考え方の軸:2 つの世界をつなぐ翻訳レイヤー
角度を測る方法は 2 つあります。度 は円を 360 の部分に分けます — 人間の取り決めであり、
分度器や方位磁石の上にあるものです。ラジアン は弧の長さで角度を測るので、一周は 2π
(約 6.283)です — 三角法の微積分がきれいになるため、数学が使う取り決めです。どちらが
「より正しい」ということはありません。同じものを表す 2 つの言語です。
Excel のエンジンは ラジアン だけを話します。あなたのデータは、ほぼ必ず 度 で
届きます。RADIANS() と DEGREES() は、その 2 つの世界の境界に座る翻訳者です。スプレッド
シートの三角法の頭痛は、どれも変換の抜けか逆向きに行き着きます — だからスキルの全部は、
自分がどちらの向きに渡っているかを知ることに尽きます。
方向のルール:入りは RADIANS、出は DEGREES
これがゲームのすべてで、決して変わりません。
- 前向きの三角関数(
SIN・COS・TAN)に 入る とき は、度の角度を持っていて Excel はラジアンを欲しがる →RADIANS()で包みます。 - 逆三角関数(
ASIN・ACOS・ATAN・ATAN2)から 出る とき は、ラジアンが返って きて人間の度が欲しい →DEGREES()で包みます。
=SIN(RADIANS(30)) ' 度の入力:先に変換 -> 0.5
=DEGREES(ATAN(1)) ' ラジアンの出力:あとで変換 -> 45
=DEGREES(ASIN(0.5)) ' サインが 0.5 になる角度 -> 30
=RADIANS(90) ' 90 度をラジアンで -> 1.5707963267949
覚えやすい合言葉:RADIANS は機械に食わせ、DEGREES は結果を読む。 前向きの関数は
角度を消費し(ラジアンを食わせる)、逆関数は角度を生み出します(度として読む)。もし三角
関数の答えが約 57 倍(これは 180/π)ずれているのを見たら、ほぼ間違いなく変換器を逆向きに
掛けたか、掛け忘れています。
PI() は定数ではなく関数
一部の言語と違い、Excel にはむき出しの PI キーワードがありません。PI は引数を取らず
π を返す 関数 です — つまり常に空のカッコが必要です。
=PI() ' -> 3.14159265358979 (正しい)
=PI ' -> #NAME? (Excel は PI を名前付き範囲だと思う)
=2*PI() ' 2π、一周をラジアンで -> 6.28318530717959
() を省くと、Excel は PI を範囲や定義名の名前だと解釈し、見つからず、#NAME? を返し
ます。空のカッコは、あなたが関数を意味していると Excel に伝える手段です。引数ゼロの関数は
すべてこの仕組みで — TODAY()、NOW()、RAND() — そして PI() は、人が最もよく忘れる
ものです。
3.14159 を直書きしない
3.14159 と打って先に進みたくなります。やめましょう。PI() は π を約 15 桁の有効数字で
運びます — 3.14159265358979 — 一方、手で打つ値はどれも切り詰められ、その切り詰めは
積み重なります。
=DEGREES(PI()) ' 完全な精度の π -> 180 (ぴったり)
=DEGREES(3.14159) ' 手で切り詰めたもの -> 179.999522... (もうずれている)
方位磁石の方角なら誤差は目に見えません。しかし機械加工の部品、軌道計算、あるいは掛け合わ
さって膨らむものでは、そうはいきません。π が必要なときは毎回 PI() を使いましょう —
何のコストもかからず、まるごと 1 カテゴリぶんの丸め誤差を取り除けます。同じ理屈が、変換を
長々と手書きする代わりに RADIANS() を使う理由でもあります。
× π/180 のショートカット(そして RADIANS が勝る理由)
これらの関数が存在する前、人々は手で変換していました。度に π/180 を掛けてラジアンにし、
ラジアンに 180/π を掛けて度にします。今でも動きますし、古いワークブックでは見かけます。
=30*PI()/180 ' 手動の 度 -> ラジアン -> 0.523598775598299
=RADIANS(30) ' 同じもの、名前付き -> 0.523598775598299
=1.5708*180/PI() ' 手動の ラジアン -> 度 -> 約 90
結果は同じなので、これは精度の話ではありません — 読みやすさと安全性 の話です。
RADIANS(30) は何をするかをそのまま言います。30*PI()/180 は次に読む人に解読を強い、
分数を 180/π に取り違えて逆向きに置いてしまう間違いを誘います。名前付きの変換器に手を
伸ばしましょう。手動の形は、他人のシートを読んでいて、それと見分ける必要があるときのために
取っておきます。
ExcelMaster が役立つ場面
角度の単位のバグは、10 分見つめても分からない類のものです — 数式は 正しく見えて、数値
だけが間違っているのです。ExcelMaster に「この度の列をラジアンに変換して」と伝えれば、
範囲全体に =RADIANS(A2) を落とし込みます。57 倍ずれた三角関数の数式を貼れば、変換の抜けか
逆向きの特徴を見抜き、入力に RADIANS() が要るのか、出力に DEGREES() が要るのかを教えて
くれます。迷い込んだ 3.14159 も PI() に差し替えて、精度が漏れ出すのを止めます。
よくある質問
Excel で度をラジアンに変換するには?
RADIANS() を使います:=RADIANS(180) は 3.14159265358979 を返します。SIN・COS・
TAN に渡す前に、度の値を包みます — たとえば =SIN(RADIANS(30))。逆向きにするには
DEGREES() を使います。
Excel でラジアンを度に変換するには?
DEGREES() を使います:=DEGREES(PI()) は 180 を返します。これは RADIANS() のちょうど
逆で、ふつうは逆三角関数の 出力 に適用します。たとえば =DEGREES(ATAN(1)) は 45 に
なります。
Excel で PI が #NAME? を返すのはなぜですか?
PI は関数で、空のカッコが必要だからです:=PI ではなく =PI() と書きます。() がないと、
Excel は PI を未定義の名前付き範囲と解釈し、#NAME? を返します。
PI() を使うべきですか、それとも 3.14159 と打つべきですか?
必ず PI() です。π を約 15 桁の有効数字で運ぶのに対し、手で打った値は切り詰められ、計算を
通じて積み重なる丸め誤差を持ち込みます。=DEGREES(PI()) はぴったり 180 ですが、
=DEGREES(3.14159) はもう 179.9995 です。
RADIANS と DEGREES の違いは何ですか?
変換の向きが逆です。RADIANS() は度をラジアンに変え(前向きの三角関数の 前 に使う)、
DEGREES() はラジアンを度に変えます(逆三角関数の 後 に使う)。一周は RADIANS(360) =
2π ラジアン = DEGREES(2*PI()) = 360 です。
検証環境
検証環境: Excel 365 (Windows 11) — 最終確認 2026-07-24。
関連ガイド: Excel SIN, COS & TAN · Excel Inverse Trig (ATAN, ATAN2) · Excel POWER & SQRT · Excel ROUND · Excel EXP, LN & LOG
